賃貸仲介の CRM の選び方 ── 比較の前に確かめる 8 つのこと

賃貸仲介の顧客管理システムは、機能の数ではなく「反響から成約までが途切れずにつながるか」で選びます。デモの時に確かめることを、8 つの観点にまとめました。

執筆: 渡邊 湧人(株式会社ユーカリ 代表取締役)更新日:

機能の一覧表で比べても、違いは見えない

賃貸仲介向けの CRM は、どれも「反響管理」「追客」「LINE 連携」「予約」と同じような機能名を並べています。差が出るのは、機能があるかどうかではなく、それぞれの機能がつながっているかです。

たとえば「LINE 連携」があっても、反響で作られた顧客と LINE の友だちが別々に管理されていれば、担当者は 2 つの画面を見比べることになります。「予約」があっても、予約の画面と会話の画面が分かれていれば、予約が入ったことに気付くのが遅れます。

だからデモでは、実際の 1 件の反響が届いてから成約するまでを、画面で通して見せてもらうのが一番確実です。途中で別の画面やツールに移る所が、毎日の手間と確認漏れの原因になります。

確かめる 8 つのこと

観点確かめることデモでの確かめ方
反響の取り込み使っている全ポータルの反響メールが、手入力なしで顧客になるか届いた反響メールを転送して、その場で顧客が作られるか見せてもらう
名寄せ同じお客様の 2 通目が、別の顧客として増えないか同じ人から別の媒体で問い合わせが来た時にどうなるか聞く
LINE会社の LINE 公式アカウントで、担当者として会話できるか担当が変わった時に会話がどう引き継がれるか見せてもらう
予約お客様が自分で内見・来店の日時を選べるか定休日や担当者の予定がある時間に予約が入らないか確かめる
スマホ出先で反響の通知を受け、その場で返信できるかPC とスマホで同じことができるか、実機で触る
移行今の CRM から、顧客だけでなく会話の履歴まで移せるか書き出したデータのどこまでが移るか、先に一覧で出してもらう
売上成約の記録から、仲介手数料と広告料が自動で集計されるか集計のために別の表へ転記する作業が残らないか確かめる
権限と店舗店舗ごと・担当ごとに見える範囲と操作を分けられるか店舗が増えた時の設定の手間を聞く

1. 反響の取り込み

賃貸仲介の反響は、ポータルごとに書式の違う通知メールで届きます。取り込めるポータルが限られていると、残りは手で写すことになり、写している間に返信が遅れます。今使っているすべての媒体の反響メールが取り込めるかを確かめましょう。

2. 名寄せ

同じお客様が別の媒体から、あるいは同じ媒体から 2 回問い合わせることは珍しくありません。メールアドレスや電話番号で既存の顧客と照らし合わせて 1 人にまとめられないと、同じ人を 2 人の担当者が追いかけることになります。

3. LINE

お客様とのやりとりの中心は LINE です。担当者の個人 LINE を使っていると、会話は会社に残りません。会社の LINE 公式アカウントでやりとりしながら、お客様からは担当者本人として見えるか ── この両立ができるかが分かれ目です。詳しくはLINE 公式アカウントの活用で解説しています。

4. 予約

「いつ空いていますか」の往復を減らすには、お客様が空いている時間から自分で選べる予約の仕組みが要ります。定休日や担当者の予定と連動しているかで、予約の取り違えが起きるかが決まります。

5. スマホ

担当者は一日の多くを外で過ごします。反響の通知を受けて、その場で返信できるかを実機で確かめましょう。PC でしかできない操作があると、結局は店に戻るまで返信が止まります。

6. 移行

乗り換えで一番困るのは、過去の会話が移せないことです。顧客の名前と連絡先だけでなく、メッセージ・反響の履歴・予約まで移せるか、書き出したデータのどこまでが移るかを先に一覧で出してもらいましょう。

7. 売上

成約の記録とは別に、表計算ソフトで売上を集計していると、転記のたびに写し間違いが生まれます。成約の記録から仲介手数料と広告料が自動で集計されるかを確かめましょう。

8. 権限と店舗

店舗が複数ある会社では、店舗ごとに見える顧客や設定を分けたくなります。店舗を増やした時に、設定し直す手間がどれだけかかるかも聞いておきましょう。

デモの前に用意しておくもの

  • 今届いている反響メールの実物 (媒体ごとに 1 通ずつ)
  • 今の CRM から書き出せるデータの一覧
  • 店舗数・担当者数と、店舗ごとに分けたい範囲
  • 今いちばん困っていること (反響の確認漏れ・返信の遅れ・担当の引き継ぎなど)

よくある質問

Q. 賃貸仲介の CRM と、一般的な営業向けの CRM は何が違いますか?
賃貸仲介では、反響がポータルのメールで届き、お客様とのやりとりの中心が LINE で、案件が内見・申込・成約と短期間で進みます。一般的な営業向けの CRM はこの流れを前提にしていないため、反響メールの取り込みや LINE とのやりとりを自分たちで作り込む必要が出がちです。
Q. CRM を選ぶ時、デモで何を見ればよいですか?
機能の一覧よりも、実際の 1 件の反響が届いてから成約するまでを画面で通して見せてもらうのが確実です。途中で別の画面や別のツールに移る所があれば、そこが日々の手間と確認漏れの原因になります。
Q. 乗り換えで一番困るのは何ですか?
過去のお客様とのやりとりが移せないことです。顧客の名前と連絡先だけが移っても、以前に何を話したかが分からなければ、久しぶりに連絡をくれたお客様に一から聞き直すことになります。

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反響から成約までを、通しで見てください。

デモでは、実際の反響メールを取り込んで成約まで画面で通してお見せします。

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