不動産仲介の LINE 公式アカウント活用 ── 個人 LINE から切り替える

賃貸仲介で担当者の個人 LINE を使うと、会話が会社に残らず、退職や異動のたびにお客様との関係が消えます。会社の LINE 公式アカウントに切り替える手順と、友だち追加の入口の作り方、送る時の注意点をまとめました。

執筆: 渡邊 湧人(株式会社ユーカリ 代表取締役)更新日:

個人 LINE で追客する 3 つの問題

  1. 会話が会社に残らない。担当者が休んだ日に、お客様から届いた LINE に誰も返せません。
  2. 退職・異動でお客様との関係が消える。半年前に問い合わせてくれたお客様が戻ってきても、連絡先は辞めた担当者のスマホの中です。
  3. 誰が何を約束したか確かめられない。初期費用の金額や申込の条件を LINE で伝えた場合、後から食い違いがあっても会社として確かめる手段がありません。

個人 LINE と LINE 公式アカウントの違い

個人 LINELINE 公式アカウント
会話の持ち主担当者個人会社
複数人で返信できないできる
担当の引き継ぎ連絡先の渡し直しが必要会話ごと引き継げる
お客様から見た送り手担当者本人設定次第で担当者の名前と顔にできる
料金無料開設は無料。送るメッセージの数に応じた月額プランがある

料金プランと月に送れるメッセージの数は変わることがあるので、LINE ヤフー社の公式情報で最新のものを確かめてください。お客様から届いたメッセージへの返信と、1 人ずつの会話が中心の賃貸仲介では、一斉配信を多用する業種ほどメッセージ数はかさみません。

切り替えの手順

  1. 会社の LINE 公式アカウントを開設する。店舗ごとに分けるか、会社で 1 つにするかを先に決めます。お客様から見て「どの店の誰か」が分かるように、アカウント名には店舗名か会社名を入れます。
  2. 担当者の名前と顔で送れるようにする。会社のアカウント名だけで送ると、お客様にとっては「誰か分からない会社」からの連絡になり、返信が減ります。
  3. これから届く反響から切り替える。個人 LINE でやりとり中のお客様を無理に移す必要はありません。新しく届く反響から公式アカウントに案内し、個人 LINE は自然に減らしていきます。
  4. 友だち追加の入口を、反響への最初の返信に入れる。メールで返信する時に、LINE の友だち追加のリンクを添えます。

友だち追加の入口の作り方

友だちになってもらう一番のタイミングは、反響への最初の返信です。お客様がその物件のことを一番考えている時なので、「LINE でのやりとりがよろしければ」とリンクを添えるだけで友だちが増えます。

  • 反響への返信メールに、友だち追加のリンクを入れる
  • 店頭に QR コードを置き、来店したお客様に読み取ってもらう
  • ポータルの物件ページから自社サイトへ来たお客様向けに、サイトにも入口を置く

友だちになったお客様が、どの反響のお客様なのかを結び付けられないと、同じ人が「反響の顧客」と「LINE の友だち」の 2 人に分かれてしまいます。友だち追加のリンクをお客様ごとに用意して、追加された時点で顧客と結び付く仕組みにしておくと手間がかかりません。

送る時の注意点

  • 1 通に用件は 1 つ。長文は読まれません。
  • 営業時間外に送る時は、急ぎでない限り翌朝に回します。
  • 一斉配信は、受け取る人にとって意味のある内容に絞ります。送るたびにブロックの危険があります。
  • 写真や間取り図は、物件名と一緒に送ります。写真だけだと、後から見返した時にどの物件か分かりません。

場面ごとの文面は追客の LINE・メール例文集にまとめています。

よくある質問

Q. 賃貸仲介で個人 LINE を使うと何が問題ですか?
会話が担当者のスマホにしか残らないことです。担当者が休んだ日に誰も返せず、退職や異動の時にはお客様との関係がまるごと会社から消えます。会社として、誰が何を約束したかを後から確かめることもできません。
Q. LINE 公式アカウントでも、担当者の名前で話せますか?
LINE 公式アカウントは、メッセージごとに送り手の表示名とアイコンを変えられます。顧客管理の仕組み側で担当者の名前と顔写真を出すようにすれば、会社のアカウントのまま、お客様からは担当者本人とやりとりしているように見えます。
Q. 一斉配信はした方がよいですか?
一斉配信は、送るたびにブロックされる危険があります。賃貸仲介では 1 人ずつの会話の方がずっと価値が高いので、一斉配信は条件の合う新着物件のお知らせなど、受け取る人にとって意味のある内容に絞るのが安全です。

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